2011年にWiiで発売された「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」をHD画質にグレードアップして発売されたリマスター作品、Nintendo Switch版「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」。
画質アップのほかに処理速度が60fpsに向上、またJoy-Con2本を使ってのアクションのほかボタン操作にも対応しています。
他にも細かい違いはありますが、ストーリーやシステムなど基本的にはWii版と同じ。例えば隠しダンジョンやモンスターといった追加要素もありません。
なので、Wii版をプレイしたことがあるならあえて買う必要はないかも。
10年前の作品をほぼそのまま移植しているのにフルプライスの6,578円というのはなかなか強気だなあ……と思わなくもないですが、Wii版をプレイしたことがない私のようなユーザーにとっては新作も同然。
ゼルダらしいギミックや謎解きなどを堪能しつつ、クリア(ラスボス撃破)まで楽しくプレイできました。
このページでは、「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」をレビューしていきます!
ゲーム情報と私の評価&3行レビュー
3行でショートレビュー
- 個性的キャラクター、アイテムを使った謎解きの楽しさ、ストーリー。さすがのゼルダクオリティ
- スティック・Joy-Conともに、操作性にかなりクセがあり難しい。好みが分かれるとすればここ
- 10年経っても色褪せない、「ゼルダの伝説」はじまりの物語。ゼルダシリーズ好きならプレイして損はない
基本情報と総合評価
タイトル | ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD |
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発売日 | 2021年7月16日(金) |
対応ハード | Nintendo Switch |
希望小売価格(税込) | 6,578円 |
プレイ人数 | 1人 |
推定クリア時間 | 40時間 |
発売元 | 任天堂 |
ジャンル | アクションRPG |
レーティング | CERO A(全年齢対象) |
メタスコア | 81点 (2021/9/4時点) |
個人的評価 (5点満点) |
(4.0)
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※メタスコア:世界中のさまざまなウェブサイトからレビューを取得し、数値化しているサイトによるスコア
「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」ってどんなゲーム?
「ゼルダの伝説」最古にして、マスターソード誕生の物語
「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」は、1986年から多くの作品が発売されているゼルダの伝説の歴史の中でも一番最初に位置づけられている、はじまりの物語であり、ほとんどの作品で登場する伝説の剣・マスターソード創造の物語。
多くのゼルダ作品で舞台となる「ハイラル王国」さえまだ存在しない頃の話です。
ゼルダとリンクがハイラルの歴史上はじめて登場し、マスターソードが生まれた物語。
ゼルダの伝説ファン、任天堂ファンであれば絶対に外せない作品と言っていいでしょう。
Joy-Conによる体感アクションに対応
「スカイウォードソード HD」は、Joy-Con 2つ持ちによるアクションに対応。
右Joy-Conを降ると剣を振り、左Joy-Conを降ると盾を構えます。
また、空を飛んだり泳いだりといった動きも、Joy-Conを動かして操作。
ボタン操作にも対応はしているものの、やはりスカイウォードソードの醍醐味が味わえるのはこのJoy-Conを動かしての操作でしょう。
なお、Joy-Con操作でプレイする際には周囲にご注意ください。
私は、ボスとの激しい戦いに夢中になるあまり、近くにあった飲み物を盛大にふっ飛ばしてしまいました。。。
「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」Wii版とSwitch版の違い
本作品は、もともと2011年にWiiで発売された作品のリマスター版。
「リメイク」ではなく「リマスター」なので、ゲームの内容は基本的に同じです。
Wii版とSwitch版で変更となっているのは、主に以下の点。
- 全体的な画質アップ(HD化)。60fpsに対応し、より映像が滑らかに
- Wiiリモコンとヌンチャク→Joy-Con操作に。ボタンやスティックによる操作にも対応
- 右スティックで自由に視点変更が可能に
- ストーリーイベントのスキップ機能追加
- オートセーブ機能追加
↓比較動画
全体的なグレードアップはなされているものの、ストーリーやシステムは同じで追加要素もなし。
Wii版で遊んだことがあるユーザーは、あえて買う必要はないかもしれません。
(もちろん、Switchでもう一度プレイしてみたいのであれば十分ありだと思います)
※以下、多少のネタバレを含みます※
「スカイウォードソード HD」のおすすめポイント
王道だが飽きさせないストーリー、個性豊かで愛すべきキャラクター
ゼルダの伝説は、他作品にも言えることですがストーリーの意外性はそれほどありません。
ゼルダを救う、宿敵を倒すといった確固たる目的があり、それに向かって歩を進めていく。スカイウォードソードでもそれは変わりません。
これだけ聞くと飽きてしまいそうなものですが、全然そんなことはないんですよね。
目標にたどり着くまでの謎を解く快感、キャラクターのやりとりの面白さ、映像や音楽による演出がほんとうに秀逸で、さすが任天堂と言わざるを得ない。クリアまで全く止まることなく駆け抜けてしまいました。
リンク、ゼルダはもちろん、ファイやバド、生徒や先生たちなど愛すべき個性豊かなキャラクターたちも「スカイウォードソード」の大きな魅力。クリアするころには、きっとそれぞれに愛着が湧いているに違いありません。
ブレスオブザワイルド→スカイウォードソードをプレイすると最初は「リンクの顔濃いなぁ」と思うんですが、すぐに慣れました。
スカイウォードソードのリンク、特に後半は凛々しい表情とアクションがいちいちかっこいいですよ。
数々の道具を使いこなしてギミックを解いていく楽しさ
ゼルダの伝説シリーズと言えば、ステージの謎を解いて進んでいくゲーム。
「スカイウォードソード」でも、爆弾や弓矢といったおなじみのアイテムからそうでないものまで、いくつもの道具を使いながら仕掛けられたギミックを解いていきます。
ちなみに、個人的お気に入りアイテムはビートル君。
なかなか進み方が思いつきにくい難しいものもありますが、解けたときの快感といったらない。
ステージ作りをさせたら、ゼルダシリーズの開発陣はほんとさすがだなあと感心するばかりです。
多くないマップを補う展開が秀逸
スカイウォードソードのメインになるのは、スカイロフト空に浮かぶ島々、そして3ヶ所の「大地」。マップとしてはそれほど広くありません。
ですが、ストーリー展開によってこの3ヶ所が大きく表情を変えるんですよね。
同じマップなのにまるで新しいところに来たかのような動きや視点を要求されると、まったく新しい場所に来たのとはまた違う面白さを感じます。
Joy-Conでのアクションが決まりだすとグッと楽しくなる
「スカイウォードソード HD」はボタン操作にも対応していますが、個人的にはJoy-Conを動かしての体感アクションを勧めたい。
割とクセがありなかなか思うように動いてくれないんですが、アクションがばっちり決まったときにはそれだけ達成感があるのも事実。
左手を振って盾で攻撃を弾きつつ、すかさず右手を振り下ろして斬撃を加える。
ボタン操作では味わえない「攻撃をうまくヒットさせた」感覚は、Joy-Con操作ならではの良い点です。
気になるところ
操作性にかなりクセがあり、人を選ぶ
Amazon等のレビューにも多くあるように、確かに「スカイウォードソード」の操作性はあまりよくありません。
飛行や泳ぎ、ボス鍵操作、戦闘時の操作など、意図した通りに動かないことが多々あります。
ストーリー上で空中・海中での細かい動きが要求される場面があるんですが、そこは特に難しい。
割とゲーム慣れしている私でもそうだったので、あまり得意ではない人にとってはかなりしんどいかもしれません。
うまく動かすのが難しい分うまくいったときの達成感もあるんですが、ストレスを感じるのも事実。
苦手かつ堪え性のないプレイヤーであれば、投げ出したくなる人もいるのかも。
Joy-Conのドリフト問題があると操作が超厳しい
ただでさえ操作が難しいスカイウォードソードですが、Joy-Conのドリフト問題と組み合わさるとハッキリ言って最悪です。
ドリフトとは、スティックを戻しても勝手に入力された状態になってしまう症状のこと。
Switchをある程度遊んだ人なら、1度は体験したことがあるはず。

Joy-ConもProコンもスティックが非常に壊れやすく、アメリカでは訴訟沙汰になりアメリカ任天堂は保証期間に関わらず無償交換に応じているほど。
(この点に関しては、なぜ日本でも同様の対応を取らないのか個人的には不満です)
私の場合も、右スティックがよくドリフト症状で上下左右に入力されたままになるため、視点がぐるぐる回って相当苦労しました。
これはSwitchの問題ですが、ところどころシビアな操作が要求されるスカイウォードソードにおいてはより厳しい問題になり得ます。
マップはそれほど広くない
おすすめポイントでも述べた通り、「スカイウォードソード」のマップはそれほど広くありません。
同じマップでのミッションであっても地形が変わるなどしてまったく同じ印象にはならない工夫がされているものの、広いマップを縦横無尽に走り回りたいプレイヤーにとっては少し物足りないと感じるかも。
ワープ的な移動方法がなく、毎回飛んで移動するのが若干面倒
「スカイウォードソード」には、ドラクエで言うルーラや、ブレスオブザワイルドで言う祠ワープのような瞬間移動の手段がない。
目的地に向かうためには、毎回空を飛んで向かう必要があります。
ゲームの楽しさを損なうほどではないですが、若干面倒だなと思わなくもありません。
「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」の評価
グラフィック
Wii版からHD化され、Switchでも見劣りしないものに。ただ特別優れているというわけではない
音楽
Wii版から大幅な進化はないが、ストーリーを美しく演出するゼルダらしい音楽の数々はさすが
システム
操作性がかなり特殊で、なかなか思うように動いてくれずストレスを感じることも。一方で慣れて上達する楽しみも感じる
シナリオ
王道でありながら古臭さを感じさせない、壮大な「ゼルダの伝説」はじまりの物語としてふさわしい良質なもの
ゲーム性
アイテムをどう使うか、謎の解をひらめいたときの嬉しさは格別。少ないマップでも違う楽しみを見せてくれるギミックもっすが
総合評価
初プレイの私は、多少操作に苦労したものの全体的にはとても楽しめました。遊んで良かったと心から思える作品。
一方、Wii版からは画質アップと若干のシステム改善のみでストーリー等に追加要素はないので、すでにプレイ済みであればあえて買う必要はあまりなさそう。
操作性にかなりクセがありその点で多少人を選ぶものの、魅力的なストーリーとキャラクター、ゼルダの伝説らしい謎解きの楽しさもあり未プレイであれば十二分にオススメできるタイトルです!